七草には「春の七草」と「秋の七草」の合計14種類あります。秋の七草は食べる物よりも観賞用の物が多いので、「七草粥」には「春の七草」を使用します。七草粥を食べる食文化は昔からありますが、食べる意味ももちろんあります。
七草粥を食べるに当たって今一度、意味や由来を覚えて子どもにもスラスラと説明出来るといいですね。
今回の記事では、
・七草粥を食べる意味
・正月の七草の由来
・七草粥に餅を入れる意味は?
についてご紹介します。
七草粥を食べる意味
七草粥は1月7日に食べる伝統行事です。食べる意味は大きく分けて3つあります。
【七草粥を食べる意味】
1.正月のおせちやお酒などのご馳走で疲れた胃をお粥で休めるため
2.保存食中心のおせちで摂れなかったビタミンなどを野菜や野草から得るため
3.その年の無病息災を願うため
また、七草それぞれにも意味合いがあります。
【七草の意味】
芹(せり):競い合うように芽が群生して育つため、勝負で競り勝つという意味。
薺(なずな):別名「ペンペン草」撫でて汚れを取り除くという意味。
御形(ごぎょう):別名「母子草(ははこぐさ)」人の形、仏の体を現している。
繁縷(はこべら):茎が多く分枝することから繁栄するという意味。
仏の座(ほとけのざ):別名「田平子(たびらこ)」、「小鬼田平子(こおにたびらこ)」仏が安座している様子を現す。
菘(すずな):蕪(かぶ)の別名。神を呼ぶための鈴を現す。
蘿蔔(すずしろ):「清白」と書くこともあり、大根のこと。汚れの無い清らかで白い様子を現す。
春の七草を覚えるのは一見大変そうに見えますが、「五・七・五・七・七」で覚えると意外と簡単に覚えられます。
「せり なずな・ごぎょう はこべら・ほとけのざ・すずな すずしろ・春の七草」
どうでしょうか?何度か繰り返して読んでいると覚えられそうですね。
正月の七草の由来
七草粥は1月7日の「人日(じんじつ)」の行事であり、七草の節句とも呼ばれる五節句の1つです。中国から入ってきた文化で、日本では平安時代から七草粥を食べるようになり、江戸時代には一般的に定着しました。
【五節句】
・人日(じんじつ)(1月7日)
・上巳(じょうし)(3月3日)
・端午(たんご)(5月5日)
・七夕(しちせき)(7月7日)
・重陽(ちょうよう)(9月9日)
古来の中国では以下のように正月のそれぞれの日には、その動物を殺さないようにする決まりがありました。
1日 | 鶏の日 |
2日 | 狗(犬)の日 |
3日 | 猪(豚)の日 |
4日 | 羊の日 |
5日 | 牛の日 |
6日 | 馬の日 |
7日 | 人の日(人日) |
つまり、1月7日(人日)には犯罪者に対する刑罰は行わないという日です。中国でもこの人日に七草を食べる文化があり、それが日本にも浸透していきました。少しずつ形を変え「身体をいたわる日」として広まって行ったわけです。
七草粥に餅を入れる意味は?
七草粥に餅を入れる意味は特別ありません。中には七草粥に餅を入れるの?と思う方もいるでしょうが、僕の家庭では餅が入っています。これは地域によって違います。ただ、本来七草粥は正月の料理で弱った身体を休めるための料理です。それなのに餅を入れるのは本末転倒…なのかもしれませんね(笑)
また、鏡開きのお餅を入れるのかといえばそういうわけでもありません。七草粥が1月7日、鏡開きは一般的に1月11日ですから日付も合いません。それでも食文化は移り変わるものでもありますから、「餅を入れる事が絶対にダメ」といったことは無いのではないでしょうか。
まとめ
今まで何となく食べてきた七草粥も意味を知ることによって感慨深いものになりますね。是非お子さんにも七草粥を食べる意味を伝えてあげてみてはいかがでしょうか。