夏の花火大会やお祭りでは浴衣や甚平に合わせて、下駄や雪駄を履かれる方も多いですよね。和の履物で統一感を出したいところですが、その時の一番の悩みは「鼻緒が痛い」ことではないでしょうか。特に普段から鼻緒のついた履物を履かない方や、新品を購入した際には付き纏う問題でもあります。
今回の記事では、雪駄や下駄の鼻緒の選び方と痛い時の対処法についてご紹介します。
目次
下駄や雪駄の鼻緒の選び方は?
鼻緒の選び方のポイントは芯の素材・裏地の素材・太さです。
下駄や雪駄の鼻緒の芯
下駄や雪駄の鼻緒の内部には芯が入っていてその素材は綿・麻紐・ボール紙(型紙)の3つがメインですがウレタン素材などもあります。綿は柔らかめで足に馴染みやすく、麻紐は少し硬めで丈夫なのが特徴です。ボール紙は硬めで形状をスッキリ見せやすいのが特徴です。ウレタンはスポンジ素材なので柔らかく、足への負担が少ないのが特徴です。
とにかく足が痛くなりにくいソフトな芯を選びたい場合は、綿かウレタンがオススメです。比較的安価で販売されている下駄や雪駄の鼻緒の芯は、ボール紙で出来ている物が多くその分足への負担は大きくなりがちです。麻紐はボール紙よりもいい素材なのでその分値段は高くなります。長く大事に履きたい方は麻紐を選ぶのもいいでしょう。
下駄や雪駄の鼻緒の裏地
鼻緒が足に触れる部分の素材も様々で、布地・ハイミロン・ポリエステル・革などがあります。布地は柔らかくサラッとしていて肌触りもいいので、蒸れやすい夏場に履くなら一番のオススメですね。
化学繊維であるハイミロンは柔らかい素材ですが、起毛素材なのでどちらかと言うと冬場向けです。ポリエステルは耐久性が高く型崩れしにくいですが、布地やハイミロンに比べるとやや硬めです。比較的値段の高めの物でも使用されることがあります。革は昔から馴染みのある素材で高級感もありますが、新品だと硬く足に馴染むまで時間がかかるため慣れるまで結構辛いです。
下駄や雪駄の鼻緒の太さ
鼻緒の太さは細い方がスタイリッシュに見えますが、太い方が足への負担が少なく履き心地がいいです。具体的には2cm以上の太さの鼻緒を選んだ方が痛くなりにくいです。これは持ち手が細い鞄を持つよりも、太い鞄を持つ方が痛くなりにくいのと同じ原理ですね。
しかし、あまりに鼻緒が太くなるとサンダルのような見た目になってしまい、見栄えが悪くなってしまいますのでその辺りは実際に履いてみてバランスを考えましょう。
また、鼻緒が二重に分かれている物もありますがこちらも足にかかる力が分散されるのでオススメです。細い鼻緒を履きたい方は二重になっている物を選べばスッキリした見た目と履き心地を両立させやすいですね。
雪駄や下駄の鼻緒が痛い原因は?
前項目を見て頂くと分かるように鼻緒が痛く感じるのは、鼻緒が硬い・摩擦が起きやすい素材・力が分散しにくい形などが主な原因です。
おさらいになりますが、鼻緒は芯が綿やウレタンの物を選び、裏地は夏場なら布地で冬場ならハイミロン、鼻緒の太さは2cm以上がオススメです。ただし、そういった物を選んでも普段から雪駄や下駄を履かない人にとっては痛みを感じやすい場合もあります。
現在ではネット通販で下駄や雪駄も簡単に購入できますが、可能な限り試し履きできる店頭で購入した方がいいことが多いです。僕も以前通販で雪駄を購入してみて、思ってた以上にサイズが大きかったり鼻緒が予想以上にキツかったりといった失敗もありました。雪駄や下駄は和服店や百貨店、ホームセンターでも売っていることもあるので、一度立ち寄って試着してみるのがいいでしょう。
ネット通販で特に肌に触れる物を購入する場合は、ある程度の失敗は諦める必要があるかもしれません。ただし、鼻緒が痛い時の対処法はありますので緩和することはできるでしょう。詳しくは次の項目でご紹介します。
鼻緒が痛い時の対策法は?
鼻緒が痛くなる前の対策法
まず、鼻緒を揉んだり少しずつ引っ張ったりして硬さをほぐすことが大事です。それにより鼻緒が柔らかくなり、足への馴染みが良くなって痛みが軽減します。特に鼻緒の芯にボール紙などの硬い素材が使われている場合に効果絶大です。鼻緒の角度が足の甲に沿うように型を整えましょう。
ただし、あまり強い力で行うと鼻緒が傷んだり、強度が弱まったりするので適度な力で行うのがポイントです。鼻緒の根元を引っ張るのはNGです。
具体的な鼻緒のほぐし方は以下の動画を参考にしてみて下さい。始めに少し怪しい人が出てきますが本編は0分51秒からです(笑)
鼻緒を揉むと表面が傷みやすい素材の場合は以下の動画を参考にしてみて下さい。
鼻緒をほぐしたら当日に履く前に、1~2日ほど実際に履いて足に馴染ませておきましょう。最初は多少痛みがあるかもしれませんが徐々に慣れてきます。僕も雪駄を購入してみてほぐしてから1日履いていると、段々キツさも気にならなくなりましたし慣れるとサンダルよりも快適でした。
どうしても慣れないようでしたら足袋を履いてみてもいいでしょう。素足で雪駄や下駄を履くよりも断然痛さも楽になりますよ。夏場であっても足袋を履くのがおかしいといったことはありませんが比較的シンプルな物がオススメです。
履いている最中に鼻緒が痛くなった時の対策法
ベビーパウダーを足に塗ると摩擦が減って痛くなりにくいので、事前に塗っておくことも痛みが出た後に塗るのも両方大切ですね。ただし、ベビーパウダーが履物について汚れてしまう可能性もあるので、雪駄や下駄を履き終わったらしっかり拭き取っておきましょう。
また、靴と同様に鼻緒の擦れ・豆の応急処置や予防としても絆創膏は活躍します。最近では透明で目立ちにくい物もあるので事前に貼っておいたり、痛くなった時のために必ず持ち歩いておきましょう。貼り替えができるように少し多めに持って出掛けるのがいいかもしれませんね。
まとめ
下駄や雪駄の鼻緒の選び方のポイントはデザイン重視よりも、痛みの少ない履き心地の良い物を選ぶ方がいいかもしれません。鼻緒の芯が綿やウレタン、裏地は夏場なら布地、冬場ならハイミロン、鼻緒の太さは2cm以上の物を選ぶと足が痛くなりにくいです。
下駄や雪駄を購入したら一度鼻緒をほぐして、最低1日は履いてみることで足に馴染みやすくなります。痛みを軽減させるために足袋を履いたり、ベビーパウダーや絆創膏を活用してみましょう。