小学校の卒業式では子どもに着させる服装に悩む親御さんも多いのではないでしょうか。近年の小学校の卒業式では子どもに袴を着させる親御さんが増えていることをご存知でしょうか?
いつから始まった風潮なのか、また子どもが袴を着る事によって周りからどう思われているのか気になりますね。小学校によっては卒業式は子どもの袴を禁止している所もありますが、その理由は何なのでしょう。
今回の記事では、
・小学校の卒業式の袴はいつから始まった?
・小学校の卒業式の袴をどう思う?
・小学校の卒業式で袴が禁止されている理由
についてご紹介します。
目次
小学校の卒業式の袴はいつから始まった?
はっきりしたことは分かっていませんが、2012年辺りから卒業式で袴を着る小学生が増加したようです。僕自身は1999年の3月に小学校を卒業したのですが、その頃のアルバムを見返してみても袴を着ている学生は0でした。当時は男女共に私服で卒業式に参加している同級生が非常に多く、女の子は中学校の制服に近いジャケットにスカート姿が少数、男の子は僕を含めてスーツ姿が2、3人といった感じでした。
それから10年程の間に女の子はアイドルのようなジャケットにチェックのスカートのスタイルやワンピースなど、男の子はスーツスタイルが増えていったようです。そして気付けば袴姿の男女が増えて、現在の卒業式では小学生の半分(特に女の子)が袴姿なんて学校もあると聞きます。
明治や大正の時代の袴は通学着でもある「制服」として扱われていました。ですから昔から「袴は学生の礼服」だったんです。洋服の文化が一般化していったため、次第に和服を着る機会が減ってしまいましたが、近年の日本では和服を再び流行らせるような試みが見られますね。
芸能人がテレビや映画などで袴や着物を着ていたり、最近ではアニメや漫画、ゲームなどでも和服のキャラクターがよく登場しています。そういった部分からの影響も強く、小学校の子どもにも袴を着させるという風習に結びついていると考えられます。
小学校の卒業式の袴をどう思う?
小学校の卒業式で子どもに袴を着させることについて大人はどう感じているのでしょうか。賛成反対意見は様々ですが、残念ながら「受け入れがたい」と考える保護者の意見の方が多いのが現実です。
・親の考えを理解できない
・親が無理やり着させていて子どもが可哀そう
・義務教育なのに無駄なお金をかけすぎ
・中学校入学前の子どもに悪目立ちさせてどうする
一方で子どもに袴を着させる保護者は以下のような意見が多いです。
・昔ながらの和の文化を取り入れたい
・子どもが袴を着たいと言うので着させてあげたい
・周りの子どもが皆袴を着るからという理由
・小学校の卒業式も一度きりなので子どもに贅沢させてあげたい
これらの意見を見てあなたはどう感じたでしょうか。特に年配の人からすると小学校の卒業式で子どもが袴を着るなんてあり得ない、との考えが根強いようです。
ただ、時代と共に文化も移り行くものだと僕は感じています。古き良き文化もいいですが、新しい文化を取り入れて行くのも悪くはないと思います。その場合周りから批判されることも当然ありますからその点には注意が必要です。もしも、自分の子どもに袴を着させる場合は「よそはよそ、うちはうち」という、しっかりとした自信と意思を持つようにしたいですね。
小学校の卒業式で袴が禁止されている理由
小学校の卒業式で子どもに袴を着させるのを禁止している学校もあります。その理由はいくつかあります。
着崩れした時に子どもが自分で着付けをできない
普段着慣れていない袴を着ているので子ども自身が服の構造を理解したり、自分で着直しするのが非常に難しいです。卒業式で着崩れすると保護者が常に隣にいるわけではないので、先生に直して貰う事になりますが先生も卒業式当日は忙しいです。着崩れした子どもであふれ返ったらもはや先生も手に負えませんし、先生も綺麗に着付けできるとは限りません。
トイレに困る
袴を着ているとトイレの際は必ず一度脱がなくてはなりません。また、袴だけでなく着物の袖が汚れることもあります。そうなるとせっかくの袴姿も台無しになってしまいますし、何より子ども自身も不快感を感じたまま卒業式を終えることになってしまいます。
袴の裾を踏んづけて転ぶ可能性がある
袴は裾が広がっているため歩いているだけでも踏んでしまいやすく、転倒して怪我をすることもあります。特に階段では裾を踏みやすく、卒業式では多くの同級生も一緒に移動するので、周りの子どもにも怪我を負わせる可能性があります。卒業式というお祝い事なのに怪我なんてしたら笑えませんよね。
他の子どもと比べられたりする
時々見かけられるのが保護者同士の小さな争いです。例えば、他人の子どもの袴姿を見て「うちの子の方が綺麗な袴でしょ」といった醜い争いです。馬鹿げているかもしれませんが、残念なことにこういった考えの保護者は意外といます。あなたは大丈夫でしょうか?
このような保護者の考えは子どもにも伝わってしまうものです。子どものいじめの要因にも繋がるので気を付けたい所ですね。
まとめ
小学校の卒業式で子どもが袴を着るようになったのは、本当に最近になってからだという事が分かりましたね。子どもに袴を着させる意見は賛否両論ですが、どう考えるのも自由ではありますし、ある種個性でもあるかもしれません。
しかし、その場合周りに迷惑が掛からないようにする保護者の配慮と、子ども自身の協力が必要不可欠であることを忘れないようにしましょう。学校で袴が禁止されていれば当然ルールは守りましょう。親の恥は子どもの恥となってしまいますからね。